« 岳 にはまる  746 | トップページ | This the end  748 »

2011年11月18日 (金)

たぬきの恩返し 747

もう半月ぐらい前の話である。ちなみに実話なのだが、おいらは狸を助けた。毎晩がんばる自転車こぎ、この日も夜走っていると、道路の真ん中に動物の死骸らしきもの、「あーあ、かわいそうに、ナンマイダブナンマイダブ」と通り過ぎようとすると、動くではないか、よくよく見ると狸である。そして後でわかったのだが、前後の足を骨折して動けないが、生命活動には支障がなかった。ところがである、そこは人里離れた道路。車は上下から通り過ぎる。あっー轢かれるー、なんてことが繰り返されるが、何とかみんなも避ける。しかし助けようと止まってくれる車もない。俺もどうしようどうしようとうろうろするが手立てがない。携帯も持たないので近所に駆け込もうかどうしようか悩んだ。100mぐらい離れた喫茶店が開いてそうなのでそこに駆け込もうとしたのだが、開いているのかしまっているのかわからない。その間も車が通り過ぎていく。轢かれても仕方ない・・・。俺に責任も何もない。行くか?どうすることもできないし・・・そんな気持ちも心をよぎる。抱えて道路の外に連れて行ければいいのだが、手負いの野生動物である。かまれて寄生虫でも感染してもまずいから触りたくない。

自転車のライトを外して、道路の真ん中に駆け寄った。とりあえず、止まってくれる車を探そうと道路の真ん中で手を振る。最初の車が止まってくれた。「狸がまだ生きているのです、携帯を持っていませんか?」と声をかけてみる。その後何台か車が止まってくれた。みんな何とか助けたいという気持ちがわいてくれたみたいで、最初の人は警察に電話してくれた。2番目の車の人は、厚い手袋をして、狸を道路脇に運んでくれた。

2番目の人もしばらくして帰っていったが、最初の人はしばらくつきあってくれた。警察か道路管理者のどちらかが来てくれる。とのことだった。30分ぐらい話をして待つのをつきあってくれたが、その人もやはり用事があると言うことで、帰って行った。この人のおかげでとりあえず命は助かったわけだからと思うと、自然と握手を求めてしまった。「ありがとう。助かりました」そんな気持ちである。

ここまで来たら当分待ってみようと待っていた。何台も通り過ぎる車・自転車・・。その中にはパトカーもいた。気づいてからライトを当てて手を振ってみたが戻ってくる様子もない。あと1km先にある交番まで行ったのか?追いかければいるかな?といろいろなことが頭をよぎる。なかなかこないものである。まあ、呼ばれた人も迷惑な話だろうから文句も言えないと、どこまでがんばれるか考えながら、待っていた。

そして多分一人で30分ぐらい待っていただろうか、一台の車が遠くに止まっている。ライトを当てながら、振り回す。道路公団の車である。しばらく動かないからやっぱり違うのかなぁとも思ったが、動き出してすぐそばで止まってくれた。「生きているのですか?生きていると管轄外なのですが・・・・。」死体回収かと思ったみたいだが、当の狸は元気である。待っている間に5mぐらい移動していた。「ずっと待ってくれていたのですか・・・。後は私たちに任してください」と言ってもらった。もう自分にできることはない。煮て食われようが、助けてくれようが、あとは自分の手の届かない世界での出来事である。道路公団の人に任せて帰ることとした。帰り着いて11時。体が冷え切っていたのを感じる。

あれから、半月・・・。狸はどうしているだろうか?・・・。お礼をしにくるのを待っているのだがなかなかこない。普通なら恩返しにくるだろー、馬鹿狸め!玄関をノックして、「嫁にもらってください」とか、つづらを持ってくるとか、やれることあるだろ。といらいらしている毎日なのだ。

|

« 岳 にはまる  746 | トップページ | This the end  748 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/529968/53270491

この記事へのトラックバック一覧です: たぬきの恩返し 747:

« 岳 にはまる  746 | トップページ | This the end  748 »